ノートルダムの鐘 2017年3月4日四季劇場【秋】マチネ

ディズニーシーへ行った前日、劇団四季のミュージカル「ノートルダムの鐘」を観劇してきました。

1か月以上経ってしまい、記憶も少し薄れてきてしまいましたが、メモを残しておきたいと思います。

キャストボードはこちら(混雑していたため、斜めからで見にくくてごめんなさい)

エスメラルダへ横恋慕する司祭フロローの役にはわたしの好きな芝清道さんもキャスティングされていて、ほのかに期待していたのですが、この日は別の方でした。

たいていこのパターンなので慣れていますが、やっぱりちょこっとだけさみしかった・・

では、以下は、たまには真面目に書いてみたいと思いますー

「ノートルダムの鐘」は奇形として生を受けたカジモドを主役として話が進みます。

前にディズニーアニメでも映画化されていましたが、主役がプリンセスでもヒーローでもなかったため、やはりラインナップの中では地味な方だったのでは、と思います。

当時、映画館で観ましたが、3体のガーゴイルのかわいらしさ以外はあまり記憶にありませんでした。

吹き替えを劇団四季が担当したことはよく覚えているのですが、吹き替え版が劇場公開されていたかどうかも覚えていません。

公開は字幕版だけだったような気もする・・(それくらい扱いが小さかったような)

ストーリーはおおまかに、下記です。

カジモドは、ノートルダム寺院の鐘楼に、司祭フロローの保護のもと、鐘つき番をしながら暮らしています。

お友だちは鐘楼に刻み込まれたガーゴイルたち。

今まで寺院の外に出たことのなかったカジモドですが、あるお祭りの日に、勇気を出して外に出かけます。

そして、そこで出会ったジプシーの踊り子エスメラルダに親切にしてもらい、ほのかな恋心を抱きます。

しかし、そこに居合わせたフロローもエスメラルダを好きになってしまい、彼女を自分のものにするため、当時迫害されていたジプシーたちをさらに追い詰めていきます。

今まではフロローへの忠義一途に生きてきたカジモドですが、エスメラルダを守るために戦うことを決意。

カジモドはエスメラルダを守ることはできるのでしょうか。

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「ノートルダムの鐘」は、映画では「リトルマーメイド」や「ライオンキング」などのように内容が変更されていたようですが、今回のミュージカルはより、原作に忠実であるそうです(原作を読んでいないため、どこまで忠実なのかは分かっていませんが)。

そのため、よりシリアスで現実的な内容となっています。

舞台は、床がチェス盤のような黒白チェッカー柄で、ストーリーの影の主役でもある大きな鐘が圧倒的な存在感を放っています。

すぐそういうことを考えてしまいますが、あの鐘はお金がかかっていそう・・

舞台上部には、本当の教会のように聖歌隊席的なものが設けられており、アンサンブルの方たちがローブをまとって整列しています。

アンサンブルの方たちは今回、カジモドのお友だちであるガーゴイルに扮したり、ローブを外して町人に扮したり、ストーリーテラーの歌い手さんになったりと大活躍されていて、大変そうでした。

序盤から荘厳に始まり、物語の設定が歌によって説明されていくのですが、この舞台が他と少し違うのは、オープニングとエンディングのところで、主要登場人物が出てきて客観的にキャラ設定を説明する(歌で)ところ。

つまり、「俳優」として登場しています。

カジモド役の俳優さんも、最初は背筋も伸び、顔も歪んでいない状態で登場するのです。

そして、舞台上で、顔に炭を塗り、背中にこぶを背負って、カジモドに変わるのですが、そのシーンにすごく衝撃を受けました。

さっきまで朗々と歌い上げていたきれいな顔の俳優さんが、一瞬後には顔が歪み、腰が曲がって足をひきずり、吃音気味に変わってしまうのはショッキングです。

普段、自分は「演出」というものが何かあまりよく理解できていないと感じますが、この舞台では「これが演出というものか!」と思うところが他にもあり、演出家の方のイマジネーションの素晴らしさに感心するばかりでした。

「オペラ座の怪人」でも、オークションの暗いシーンから一転してシャンデリアが吊り上げられていく様は壮観というしかなく、毎回、「ああ、ファントムを観に来たのね」と実感するとともに感動するのですが、この「ノートルダムの鐘」で「俳優」が「カジモド」へ変身するシーンは、それ以上の衝撃と感動だと思いました。

「ノートルダムの鐘」では、他の多くのミュージカルのように、みんながきらきらしているわけでもなく、迷いなく毅然としているわけでもないです。

奇形のため、フロローによって鐘楼に閉じ込められて外の世界を知らないカジモド

弟への歪んだ愛情と劣等感を必死で正当化しているフロロー

地獄のような戦地から逃げ出してきたことの罪悪感と無力感に苛まれているフィーバス

ジプシーであるために迫害され、肌を見せて踊り子として生きるエスメラルダ、など。

特にいちばん理解不能なのがフロローで、演じる人も難しそう。

一見、立派な司祭に見えるが、エスメラルダの魅力に勝てず、権力をもって自分のものにしようとするのですが、どうしたらそこまでになれるのかがよく分からない。

悪一色ではない複雑なキャラクターですが、フロローの内面に掘り下げるシーンがないため、その行動がうまく理解できない、というのが残念でした。

そもそも、主要キャラ4人の中でいちばん感情移入できそうなのがフロローなだけに、分かりそうだけど分からないのがもどかしかったです。

(それか、ただ単純に、芝さんじゃないことが気になりすぎてだめだったのかもしれません・・。野中さんはどうしてもいい人に見えちゃうんだけど、芝さんならもっとダークに複雑にできると思うんだなー)

実写するとしたら、ぜったい、イアン・マッケランさんがぴったりくると思う。ガンダルフもマグニートーもどちらでもぴったりなのがすごいですよね!

でもわたしはやっぱり、ガーゴイルになりたいなあ。特に映画版のガーゴイルはかわいかった。ライオンキングのティモンとプンバァみたいな役回りで、外野だけど話を盛り上げるキャラが好きです。

そして音楽ですが、「サウンド・オブ・ミュージック」でも号泣したわたしは多分、賛美歌系にとても弱いです。

今回も教会系(?)なので賛美歌系荘厳な曲が多く、胸にじーんときて、音楽だけでじわーとしてしまう。

パンフレットを買わなかったので曲名は分からないですが、オープニングの曲も、聴いているだけでうるっとするところに鐘の音まで入ってくるので、とにかくハンカチを手放せませんでした。

あとは、エスメラルダが歌う「みんな神の子」(タイトルはたぶん違うと思われます)の歌に聞き覚えがあり、なんでだろうと思っていたところ、劇団四季の「ソングアンドダンス」でも採用されていた曲のようです(お友だちが教えてくれました)!

さすが採用されるだけあり、じーんとくるよい曲でおすすめです。

そして最後も、カジモドは俳優さんに戻って終わるのですが、その入れ子型が、普通の舞台よりも客観性が際立って、より冷静に観客に向かってメッセージを投げかけてきているように感じました。

「あなたはこの物語をどう思いますか?」

普段の毎日を生きていて、ミュージカルのようなドラマティックな出来事はもちろん起こらないし、いつもなら非現実的な世界を覗いて、明日からも仕事を頑張ろうとかのエネルギーをもらう感じですが、「ノートルダムの鐘」は、それに加えて、まるで映画を観た後のような課題感というか、自分を見つめ直すきっかけにもなれるミュージカルでした。

キラキラなお話だけじゃなくて、こういうミュージカルがもっともっとやってくれたらいいと思います。

名古屋にも来てくれるといいなあ。ちょっと暗いから、無理かもしれないけれど・・

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