【映画レビュー】グレイテスト・ショーマン “The Greatest Showman”

=== 映画.comより抜粋 (ここから)===
[作品データ]
製作年  2017
製作国  アメリカ
配給   20世紀フォックス映画
上映時間 105分
[スタッフ]
監督 マイケル・グレイシー
製作 ローレンス・マーク
ピーター・チャーニン
ジェンノ・トッピング
製作総指揮 ジェームズ・マンゴールド
[キャスト]
ヒュー・ジャックマン
ザック・エフロン
ミシェル・ウィリアムズ
レベッカ・ファーガソン
ゼンデイヤ
[解説]
「レ・ミゼラブル」でも華麗な歌声を披露したヒュー・ジャックマンの主演で
「地上でもっとも偉大なショーマン」と呼ばれた19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル。劇中で歌われるミュージカルナンバーを、「ラ・ラ・ランド」も手がけたベンジ・バセック&ジャスティン・ポールが担当した。
貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢チャリティと結婚したフィニアス。
妻子を幸せにするために努力と挑戦を重ねるフィニアスはやがて、さまざまな個性をもちながらも日陰に生きてきた人々を集めた誰も見たことがないショーを作り上げ、大きな成功をつかむ。
しかし、そんな彼の進む先には大きな波乱が待ち受けていた。
主人公P・T・バーナムことフィニアス・テイラー・バーナムをジャックマンが演じ、バーナムのビジネスパートナーとなるフィリップ・カーライル役を「ハイスクール・ミュージカル」「ヘアスプレー」のザック・エフロン、バーナムの妻チャリティを「マンチェスター・バイ・ザ・シー」のミシェル・ウィリアムズが演じる。
=== 映画.comより抜粋 (ここまで)===

ミュージカルでもミュージカル映画でも、
それを構成する重要要素が音楽・演出・俳優・振付・物語などであることは変わらないですが、
舞台と映画で大きく異なるのは「演出」になると思っています。
それは、舞台なら舞台ならではの演出が、
映画なら映画でこその演出が可能になることが、
それぞれの手法をとった理由になるのかなと考えているからです。
そのため、ミュージカル映画を観る時には
どうしてもその「見せ方」を気にしてしまって
作品に素直に入り込めないのが私の残念なところ。
これは完全に個人的見解ですが、
舞台と映画の違いは、観客と作品の距離感の違いだと思います。
舞台の目の前でパフォーマンスが繰り広げられるため、迫力が違います。
多少ストーリーが荒唐無稽でも許されるし、
逆に動きのない繊細な物語を壮大な歌やダイナミックな踊りで表現するのは
テクニックが必要になると想像いたします。
一方で、映画はスクリーンのため、観客はある程度冷静です。
臨場感という点では、最初から映画は不利です。
そこで重要になるのが、映画でしかできないかたちで観客に感銘を与えること。
ミュージカル映画には、この1点を克服するのがたいへん難しいのではないかと思っています。
「グレイテスト・ショーマン」の冒頭は
ヒュー・ジャックマン演じるPTバーナムの後姿のシルエットから始まり、
そのカッコよさと、イントロのドラムとスタンピングで、
作品への期待で胸がつまるくらいわくわくさせてくれます。
そこから、オープニングはPTバーナムサーカス一座の圧巻のパフォーマンスから始まる・・
のですが、ここで何故かあまり高揚感が高まらないという不思議が。
音楽もパフォーマンスも素晴らしいので
何故そう感じるのかよく分からないですが、
多分、映像に「迫力」が足りないのかなと思いました。
誰もが名作と口を揃える「ララランド」のオープニングでも
私はそう感じたので、個人的なないものねだりかもしれませんが
どちらの作品も、「ただパフォーマーさんの動きを近くから映しているだけ」
引きの画面では「逆に彼らの躍動感を損なうような映し方をしている」ように見えたのでした。
具体的にどうとは言えないが、
映画ならではの群舞の魅せ方を私は求めております。
わがままでゴメン
さて、それ以降は、バーナムの子ども時代から
憧れの令嬢チャリティとの恋愛、結婚、をテンポよく描いていきます。
不運な失業をきっかけに
詐欺のような手法で銀行から融資を受け
珍しいものを集めた博物館を開きますが閑古鳥。
娘たちの「動いているものじゃなくちゃ。」というアドバイスを受けて
「外見的に普通とは少し違う人たち」を集めてショーをすると大当たり。
瞬く間に成功者となり、奥さんと子どもたちにも
自分がそうさせてあげたいと願っていた贅沢な暮らしをさせてあげるようになるのでした。
​しかし・・となっていきます。
この物語の主役であるPTバーナムは
たいへん率直で純粋な(ある意味KYな)人間として描かれています。

「外見的に普通とは少し違う人たち」は
背がすごく高いとか、肌の色が黒い、女性なのに髭が生えてしまう
色素が白い、身体がとても小さい、とても太っている、などなどです。

バーナムは素直に「君たちは珍しいからお金が稼げるかも」と言ってサーカスに出てもらい
普通に接しますが、上流社会に認められそうという段階になると
「目立つから」という理由でその世界から彼らを締め出してしまいます。

まあ、率直に言えば、それが人間のいちばんありがちな態度であり
その後のスキャンダル含め、彼はただ純粋に最初は富を、その後は名声を、分かりやすく求めているだけなのです。

周りはみんな、そんな純粋だからこその彼の魅力に次々と取り込まれていくのでした。

しかーし、この点は演じているヒュー・ジャックマンの魅力があってこそです。

ちょっとおバカぽいけど生命力に溢れて、
自分の願い(本当は家族の幸せなんだけどそれをお金や栄光とはき違えている)をただひたすら求める
そのせいで周りが全然見えなくなることもあるし
関係者の気持ちを考えてみようとすることも皆無なんですという
「気持ちはすごく分かるんだけど実際にそこまで迷いなく行動しちゃう?
もうちょっと何とかならなかったのかな」的な
極端キャラがチャーミングに見えるのは彼のおかげ。

そして彼の極端キャラのおかげで、周りの人間は輝いてみえるという効果も上げています。

なんだか初めて見る感じだけどこれはこれでありかも、と思わせてくれるところがすごい(褒めてます)。

最後に、いちばん感動したのは、やっぱり、中盤の「This Is Me」。
このシーンは演出にも何の文句もありません。
歌も歌い手もパフォーマンスも全てがパーフェクト。

一度はバーナムに見捨てられた彼らが、彼を見捨てることは決してなかったことには胸が熱くなりました。

そんなに世の中は単純じゃないし分かりやすくないしご都合主義じゃないぜ、と思いながらも
細かいことは気にせずに身を委ねてしまえと思わせてくれるパワーのある作品です。

演出がところどころ惜しいのが本当に残念ですが、
きっと気にならない人の方が多いと思う!

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