【映画レビュー】ジャッキー・ブラウン (ネタばれ注意)

※今回は、ネタバレを超えて、ラストの展開について考察させていただいております。

 未見の方は、閲覧にあたり留意いただけますよう、お願い申し上げます。

[作品データ]
原題   Jackie Brown
製作年  1997
製作国  アメリカ
配給   松竹富士(松竹富士=アミューズ=デジタル・メディア・ラボ提供)
上映時間 155分
[スタッフ]
監督 クエンティン・タランティーノ
脚本 クエンティン・タランティーノ
原作 エルモア・レナード
製作総指揮
エルモア・レナード
ボブ・ワインスタイン
[キャスト]
パム・グリア
サミュエル・L・ジャクソン
ロバート・フォスター
ブリジット・フォンダ
マイケル・キートン

「ジャッキー・ブラウン」は公開当時、音楽のカッコよさにすっかり感動してしまい、サウンドトラックを買って繰り返し聴いていたものです。
もう21年も前になるんですね。
それでも、その頃に何度も何度もリピートさせたメロディは、数十年後でもちゃんと耳に残っていたようで、映像はほとんど覚えていないのに音楽だけは分かる、という不思議な感覚を味わいました。
今回見直して分かったのは、パム・グリアーのすごさ。
21年前は自分自身が若かったので、グリアーがインタビューで「年齢なんてただの数字よ」と言っていても、「そうだねー。そうかも。」とかつぶやきながらも、実際は何も分かっていませんでした。
しかーし! 今のワタシなら分かります。彼女のすごさが。
肩幅のあるがっしり体型なのに、細いところは細い、女性らしいボディを維持しているところがすごいです。
49歳なのに全然たるんでいないですよ! しかも年齢相応にも見えるという不自然さの無さ。
「ジャッキー・ブラウン」はパム・グリアー礼賛映画ということで大賛成です。
【一攫千金の規模は、意外とちっちゃい】
解説にもあるように、作中では、一人のスチュワーデスがギャングと警察を欺いて一攫千金を狙うわけなのですが、その金額は意外とちっちゃいです。
額面にして、50万ドル(5千万円くらい?)。
もちろん、5千万円の儲け話がそこら辺に転がっているわけではありませんが、高飛びしてウハウハというほどの金額でもなさそうに思えます。
そして、この規模の小ささこそが、不思議に、妙な親近感とおかしみを引き起こします。
サミュエル・L・ジャクソンは、「もうすぐ儲けが100万ドル越えちゃうゼ」と喜んでいる武器密売人オデール。
でも、もともとコソ泥ちっくな人たちを使って商売をしているので、たまたま別の案件で捕まった手下があっさりと情報を吐き、警察に目をつけられます。
警察はまず、メキシコーアメリカ間でオデールの売上金を運んでいた、スチュワーデスのジャッキー・ブラウンを拘留。
司法取引でオデールの情報を得ようとします。
(つまり、情報を流せば、服役しなくてもよくなる)
ここで、100万ドル案件でも司法取引が出てくることに、まずびっくり。
まあ、アメリカではそういうものなのでしょう。(日本でのそこら辺の事情もよく知らないけど。)
しかし、ジャッキーは警察の取引に応じず、警察もオデールもだまして、オデールの金50万ドルを横取りしようと企てる・・というのが、お話の流れになります。
ちっちゃいなー、と笑えてくるのが、ジャッキーとの現金受け渡しに登場する手下たちが、全員、オデールの女だというところ。
しかも、彼女たちは、もう女性の盛りを過ぎて太り始めた人だったり、ぽかーんとした頭の悪そうな人だったり、手に負えないジャンキーだったり、「愛人」と言って思い浮かぶようなゴージャスな女性では全くないのです。
オデールは、密売している銃について、得意げにゴタクを並べたりして偉そうに振る舞っていますが、ギャングとしてはちっさい方なんだなーということが分かります。
でも、その役を、泣く子も黙るサミュエル・L・ジャクソンがやっているし、これは映画だし、ということで、オデールがわりかしちっちゃい人であるということを理解するまでに、私は少し時間を要しました。
すぐに分かれば、最初からクスクス笑いながら見られそうです。
しかしながら、一般ピープルから見れば、いくらちっちゃくてもオデールは情け容赦なく人殺しをするギャングであり、恐怖の対象なのです。
観客としてのおかしさと、ジャッキーの立場に立って考えた時の恐怖や閉塞感が上手に混ぜこぜになっているところが、この映画の面白いところなのかもしれません。
【ジャッキーとマックスの関係について考察してみた】
意図的になのかは分かりませんが、共謀関係にあるジャッキーとマックスの打ち合わせ場面は、映像ではほとんど描かれていません。
そのため、次々と変わっていく状況に対して、ジャッキーやマックスがどのような反応を示して対応していったのか、うかがい知れないところがあります。
そのあたりがとても消化不良で、やぶれかぶれな気持ちになったので、最後にオデールが会いに来るシーンについて、勝手に考察してみました。
ジャッキーが事の次第を説明したいと言っている、とマックスから聞いたオデールは、マックスの事務所へ2人で行くことにします。
ジャッキー自身はしばらく前から事務所に待機していて、暗闇の中、引き出しからスピーディに銃を取り出して狙いをつける練習をしていました。
つまり、この時点では、ジャッキーは「自分で」オデールを撃つつもりだったものと思われます。
しかし、オデールと電話で話した後、ジャッキーは警察に電話しました。
刑事のレイは、ジャッキーのことを真剣に気にかけてくれている人物です。
結局、実際にオデールが来た時、ジャッキーの合図により警察がオデールを射殺してしまうのですが、それは本当に、ジャッキーとマックスの打ち合わせ通りの流れだったのでしょうか。
ラストの2人の会話を聞くと、やはりジャッキー自身が撃つつもりでいたのでは・・? と思えてしまいます。
ジャッキーは、マックスよりレイを頼ったような感じになり、それでマックスは一緒にスペインへ行ってくれなかったのではないか、とも。
それだけではなく、もし、警察が、焦らずにきちんと急所を外してオデールを撃っていたら、オデールの証言によって、何もかもがひっくり返ってしまう、というリスクがあったのです。
その場合、マックスがジャッキーと組んでいたということも警察にバレて、ただでは済まなかったものと思われます。
そのリスクを冒してまで、ジャッキーが警察に知らせたことに対して、マックスは複雑な気持ちだったのかもしれません。
それでも、やっぱり、マックスがジャッキーを追いかけて行ってくれるといいな。
それにしても、やっぱり5千万円は少ないと思うけれども。
【まとめ】
「何歳からでもやり直しはきく」風なお話が好きな自分には、年配の人たちが勝負する「ジャッキー・ブラウン」は、ストライクな作品です。
対外的には冷静に機転をきかせるジャッキーが、内面では怯えていたり、誰かに頼りたかったりしているところにも、じーんとしました。
そして、49歳でもセクシーでゴージャスなグリアーの様々な衣装も見どころのひとつです!
私は、赤いノースリーブのミニワンピがいちばん好きです。どんなに若くてほっそい女の子より似合っていますよ!
ああ、本当に憧れる・・
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