【映画レビュー】不能犯

(※一部ネタバレあり)
=== 映画.comより抜粋 (ここから)===
[作品データ]
製作年  2018
製作国  日本
配給   ショウゲート
上映時間 106分
[スタッフ]
監督 白石晃士
[キャスト]
松阪桃李
沢尻エリカ
新田真剣佑
間宮祥太朗
テット・ワダ
[解説]
集英社「グランドジャンプ」連載中の人気コミックを、
松阪桃李主演、沢尻エリカ共演で実写映画化し、
思い込みやマインドコントロールでターゲットを殺害する「不能犯」の男と
彼を追う女性刑事の対決を描いたサスペンススリラー。
都会のど真ん中で連続変死事件が発生し、現場では必ず黒スーツの男が目撃されていた。
その男・宇相吹正はSNSで「電話ボックスの男」と噂される人物で、
とある電話ボックスに殺人の依頼を書いた紙を貼ると実行してくれるのだという。
彼に狙われたものは確実に死亡するが、その原因は病死や自殺、事故など、
いずれも殺人が立証できないものだった。
警察やようやく宇相吹の身柄を確保して任意聴取を始める。
宇相吹の能力にベテラン捜査官たちも翻弄される中、女性刑事・多田だけが
彼にコントロールされないことが判明し・・。
共演にも「ちはやふる」新田真剣佑や「帝一の國」の間宮祥太朗ら豪華キャストが集結。
監督は「ある優しき殺人者の記録」の白石晃士。
=== 映画.comより抜粋 (ここまで)===

殺人依頼を電話ボックスの底に貼っておくと、
「不能犯」が実行してくれる。
但し、その殺意は自分にとって本当に正当なのか、
きちんと確認してからでないと、後悔することになるかもしれない・・。
作中のエピソードでは、たいてい、
その殺意は依頼者の誤解から生じたものであったり、
不純な動機が混じっていたりで
殺人が実行された後に発覚したその事実によって
依頼者自身にも不幸な結末が訪れるようになっています。
「不能犯」こと宇相吹は、そんな人間たちを見て
「愚かだねえ」と嘲笑う、という構成でございます。
「笑ゥせぇるすまん」(漫画/アニメ)とか
「悪魔の花嫁」(漫画)風なイメージです。
宇相吹の殺人は、ターゲットに「思い込み」をさせる
マインドコントロールによって実行されるため、
宇相吹は実際に手を下しておらず、法律では裁くことが出来ません。
※ちなみに、この「思い込み殺人」ですが、
ドラマ「相棒」にも登場したことがあります。
目隠しをされて四肢の自由も奪われた状態で
首を軽く切りつけ(もちろん、命には全く別状のない程度に)、
本人には「頸動脈を切った」と嘘を伝えておく。
そして、首の傷から少しずつ血液同等に生暖かい水を流し続けて
「もう致死量の出血になっている」とかさらに嘘を伝えていると、
身体的には全く平気なのに、本当に死んでしまうというものです。
(死因は心臓麻痺)
 「不能犯」ではこのような地味で地道なものではなく、
宇相吹の超自然的能力で対象者は完全にマインドコントロールされてしまいます。
そこに、宇相吹のマインドコントロールが効かない多田刑事が登場。
宇相吹は、彼女に「自分を止められるのはあなただけ」
と、自分を殺させようとします。
多田刑事は正義の名のもとに自ら殺人を犯すことになるのか・・。
てなわけなのですが、
正直、映画を観ていて
依頼人たちが翻弄される現実の残酷さや
多田刑事の葛藤などに同調して引き込まれることはありませんでした。
というよりは、普通のエンターテイメントとして観るのがよい作品のようです。
出てくるエピソードのほとんどは、どこか現実感がなく、
現実感は不足しているけれども真理を突いている、と言えるまでの奥深さもなく、
淡々と物語は進行していくのみ。
多田刑事は苦悩しますが、
最初から最後まで、いつもばっちり決まった服装のままで
メイクや髪の毛にも一筋の乱れなく、汗もかかずのまま。
見てくれだけが重要ではないのでしょうが、
上司と後輩を殺され、部下は重体になり
信じていた人間には最悪のかたちで裏切られ、
自分は殺人を迫られているというなかなか凄まじい状況の割に
追い込まれた人間の凄みが全く感じられないのは何故なのか・・
一方で、「不能犯」宇相吹は
殺人が終わった後、依頼人に真実を教えて
彼らの間違いを指摘し、彼らが苦悩する様子を楽しんでいるようです。
かといえば、凶悪犯を殺す時は
ちょっとだけうれしそうな様子もあったりなど、
怖いけど憎めないキャラクターを
松阪桃李くんが楽しそうに演じていらっしゃいます。
作りようでもっと面白い映画になったのではないかと思いますが、
オープニングとクロージングが女子高生の噂話ふうでありきたりだったり、
矢田亜希子がお風呂に入っているのにメイクばっちりだったり、
先輩刑事の演技がびっくりするくらい棒だったり、
多田刑事の行動が一般人から見ても脇が甘すぎだったりで
いちいち白けてしまうのでした。
しかしながら、先程も書きましたように、
人間の業であるとか、真の正義とは、などはあまり考えず
宇相吹の悪魔的魅力を楽しむつもりで見るのが正しいのかも。
という結論に達したのでした。
スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

フォローする