【映画レビュー】 アメリカン・ハッスル “American Hustle”

(※一部ネタバレあり)
=== 映画.comより抜粋 (ここから)===
[作品データ]
製作年  2013
製作国  アメリカ
配給   ファントム・フィルム
上映時間 138分
[スタッフ]
監督 デビッド・O・ラッセル
製作 チャールズ・ローベン
リチャード・サックル
ミーガン・エリソン
製作総指揮 ジョナサン・ゴードン
[キャスト]
クリスチャン・ベイル
ブラッドリー・クーパー
ジェレミー・レナー
エイミー・アダムス
ジェニファー・ローレンス
[解説]
「世界にひとつのプレイブック」「ザ・ファイター」のデビッド・O・ラッセル監督が、1970年代のアメリカで起こった収賄スキャンダル「アブスキャム事件」を映画化。
詐欺師がFBIに協力し、おとり捜査によって真相を暴いた実話を、「ザ・ファイター」のクリスチャン・ベイル、エイミー・アダムス、「世界にひとつのプレイブック」のブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロ、ラッセル監督初参加のジェレミー・レナーら豪華俳優陣を迎えて描いた。
79年、ラスベガスやマイアミに続くカジノタウンとして開発中のニュージャージー州アトランティックシティ。
詐欺師のローゼンフェルドを逮捕したFBI捜査官のディマーソは、司法取引でローゼンフェルドを操作に協力させ、偽のアラブの大富豪をエサにした巧妙なおとり捜査によって、カジノの利権に絡んだ大物汚職政治家たちを逮捕していく。
=== 映画.comより抜粋 (ここまで)===

クリスチャン・ベイルの役作りに度肝を抜かれました。
ジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパー以外のキャストも、話のあらすじも知らずに見始めたところ、
いきなり、ぱつーんとお腹の出た髪の毛の少ない男の人が
朝、鏡を見ながら付け毛で髪の毛のさみしい部分を真剣に念入りに補修する場面から始まってびっくり。
でもこの人、なんだか顔は整っているしどこかで見たことあるような・・?
家で見ていたのですぐにキャストを確認できましたが、
映画館で観ていたら、恐らく最後のクレジットまで確信が持てなかったと思う。
これが世に聞くクリスチャン・ベイルの役作りというやつなのですね。
実際に目の当たりにするとすごい衝撃でした。
しかも、ベイルだけでは終わらずに、みんな何かしらの役作り感がすごいです。
ブラッドリー・クーパーはパンチパーマだし
ジェニファー・ローレンスは何ていうのか・・、まくし立てる正妻役が凄いし
エイミー・アダムスはいつも、強風が吹いたらどうするのか心配になるくらい露出具合のたいへん高い洋服を着ているしで。
この4人はみんなその年のアカデミー賞に主演助演でノミネートされたということですが、
いろいろな衝撃的外見をただのコスプレにしていない点で、確かに彼らの力量はすごいと思いました。
内容は、詐欺師とFBIが組んで汚職政治家とマフィアを捕まえるために大芝居を打つという話で、
実際にあった事件を下敷きにしているそうです。
驚くのは、詐欺師よりFBI捜査官の方が、やることが何倍も過激なところ。
(そのあたりはいくらなんでも脚色だと思いますが)
ブラッドリー・クーパーがパンチパーマで
(天然パーマじゃなくて敢えてロッドを巻いてパンチパーマにしている設定)
逮捕した詐欺師を脅して仲間に引き入れるまではまだよかったが
芝居の信憑性を高めるための舞台装置であるホテルのスイート代や自家用ジェットのレンタル料、
見せ金の送金を上司に却下される度にとにかくいちいちキレまくるのが、FBIなのに全然知的じゃない。
最後には上司をボコボコにした上に銃で脅す始末で、
これじゃあただのギャングでは・・
上司のことを見下しているのがありありと分かるのも礼儀正しくなくて
とにかく正義の側のはずなのにまったく共感できないキャラクターとなっております。
「事件は会議室じゃなくて現場で起きてるんだよ!」
で有名な青島刑事なら失神しちゃいそうなキレっぷりでした。
一方で、罠にかけられるはずの市長は
汚職をしているけれども、それは市の収入を増やすため、ひいては市民のためで、決して私腹を肥やすためではないのです。
彼は、育った環境のためにヒネてその職業になった詐欺師が「初めての友だちだ」と思えるくらい
誠意をもって彼に接する人物です。
FBIにむかむかしているところ、市長さんが登場するとちょっとほっとするのが不思議。
いちおう、汚職してるのに・・
世の中は白黒だけでは語れなくてグレーゾーンだらけなのです。
エイミー・アダムスは詐欺師の愛人であり頼れる相棒で
FBI捜査官をちょっとたらしこむ役割も担っているのですが、
この2人の駆け引きも見どころとなっております。
こちらもなかなかスリリングで、「キャー今度こそ一線を越えちゃうのかしら」みたいなのが何回もある感じ。
見てるときは、エイミー・アダムス側もわりと好きになっちゃっているのではと思った瞬間もありましたが(だってブラッドリー・クーパーだし)、
後から思い返してみると、きっと全然そうじゃなかったような気がする。
結局は、FBI捜査官が頭もそんなによくなくて精神的にも未熟だったということになるのでしょう。
予測不能な行動でちょくちょく夫を窮地に立たせるジェニファー・ローレンス(詐欺師の妻)は
電子レンジにアルミホイルをかぶせたお料理を入れて発火させちゃうとか
おバカなのに、口答えの「立て板に水」具合が素晴らしく、こっちがどうでもよくなっちゃう感じ。
アガサ・クリスティに出てくるキャラクターを連想させるところがあります。
ジェニファー・ローレンスはXメン以外では初見で
その時は、レベッカ・ローミンのミスティークとの違いにばかり目がいってあまり印象に残らなかったですが、
今回、演技が上手いというのを超えて「その人に見える」ところがすごいと思いました。
確かにすごい役者さんですね
映画の話そのものよりも、ブラッドリー・クーパーの癇癪が恐ろしいとか、
クリスチャン・ベイルがどうしたらこんなに太れるのか思いを馳せちゃうとか、
役者さんにばかり注意がいってしまった作品でした。

スポンサーリンク
レクタングル広告(大)
レクタングル広告(大)

フォローする