【映画レビュー】アラジン(2019)

アラジン “Aladdin” (2019)

監督;ガイ・リッチー

出演;ウィル・スミス、メナ・マスード、ナオミ・スコット、マーワン・ケンザリ 他


満を持して公開された実写版「アラジン」、オリジナルのアニメが公開されたのは1992年、なんと、もう27年前のことになります。

当時は名駅(名古屋駅)前にはたくさんの映画館があって、その中の、多分「毎日ホール」とかいう映画館で観たような記憶がございます。コッポラ監督の「ドラキュラ」も同じ劇場でしたわー。今となっては、当時林立していた全ての映画館が閉鎖となってしまってさみしい限りですが、その中でも毎日ホールは一番最初に閉館になったような気がするなあ。

そんなノスタルジーに浸ってはおりますが、つまり言いたいことは、27年前に観たきりのため、アニメの内容はそこまできちんと覚えておりません。

どちらかといえば、今年のお正月に観て圧倒されたミュージカル(日本公演は劇団四季)の記憶が新しく、今回の実写版とどうしても比較してしまったのでした。

CG感にちょっとウンザリ

昨今、CGの技術はかなり進化しているらしいし、実際に映画を観ていても「これがCGなのか!」と驚いてしまう、実際に撮影したかのようなリアルなCG映像が溢れていますが、そんな現状において、今回の「アラジン」は「CGと分かる」特撮感が少し鼻につきました。

いちばん残念だったのは、有名な「Whole New World」を歌いながらアラジンとジャスミンが魔法のじゅうたんに乗って空を駆け巡るシーン。

最初こそ、空高くからアグラバの街を見下ろす景色に高揚感がありましたが、その後の、ハイスピードでジャングル的な自然地帯を突き抜けるくだりが、大画面で見ていてさえも合成がはっきり分かって興醒めでした。

歌も特にハイテンポではないので、もっとゆっくり巡ってもらえればいいのにな。

わりと、ディズニーランドの「フィルハーマジック」のアラジン部分の映像の方が自分好みに思います。実写ではああいう風に撮れないのかしら?

衣装やセットは完璧なのに、アラビアのお伽話ぽいエキゾチックさが足りないのも不思議でした。

「青すぎる?」ウィル・スミスはどうだったかというと

「アラジン」が実写化されると聞いた時、「ジーニーはウィル・スミスだといいな」と思いました。

そして、本当にウィル・スミスが担当することになってうれしかったし、実際に観てもイメージにぴったりで楽しかったのですが、彼の唯一かつ致命的な違和感は、

歌が軽い

というところ。

いちおう、ジーニーは1万年生きているランプの精なので、ユーモアはありつつも威厳もありますよ!という役柄(だと思っている)のですが、ウィル・スミスはこの「威厳」という点でいまいちだったのかもと思います。

そう思うと、アニメ版のロビン・ウィリアムスはすごかったんだなーと感嘆するものですが、もしそれでも、歌声がユーモラスからシリアスまで、特に低音に渡って縦横無尽に操って歌えればよかったんだけど、ミュージカルの俳優さんと比べて、どうしてもウィルはその点が弱かった。とにかく軽い。歌手でもあったのに。

これはとっても残念なのでした。特に「プリンスアリ」氏の登場で、パレードの先頭を務めるシーンの迫力の無さは致命的。

とはいえ、最近次々と登場するミュージカル映画で、俳優さんの歌声に圧倒的な迫力を感じるということは稀なので(「グレイテスト・ショーマン」の「This is Me」くらい?)、仕方のないことなのかもしれません。

ちなみに、特に「青すぎる」とは感じませんでした。しかも、いつまでも見た目が変わらないは本当にすごいし、ジーニーのユーモアと、自由のないランプの精の切なさは余裕たっぷりに演じていてさすが!

好きな俳優さんなのに(特に「アイ、ロボット」が好き)、最近は出演作に「観たい」と思えるものがなかったので、久しぶりにスクリーンでウィル・スミスが観られたのはとてもうれしかったです。

ミュージカルとして

そもそも「映画」と「ミュージカル」は別ジャンルのために、両方を揃えたミュージカル映画は作るのが難しいと思うし、今まで観た中で「これは素晴らしいミュージカル映画だ!」と思えた作品もないのですが、今回の「アラジン」はどうだったかと言いますと、ミュージカル映画よりも歌も少ないのでリスクも低い上に、アクション部分も多くて、言い方は悪いですが、いい感じに誤魔化せてるなーというところです。

プリンスアリが登場する時の映像は、それなりに迫力があって、他の作品のように、群舞が凄いのにそれを撮影するテクニックが足りていないのでは、などと感じることもありませんでした。

そして、歌唱力のなさが嘆かれる中、ジャスミン役のナオミ・スコットさんはかなり健闘されていました。(アラジン役のメナ・マスードはふつうレベル)

がしかし、せっかくのそのジャスミンのソロシーンが、演出がハテナであったために微妙な仕上がりになっていたのは残念でした。

監督はガイ・リッチーということですが‥。演出が大味ということなのかしら。

まとめ

なんだかいっぱいけなしたようですが、総合的には、楽しい映画でした。女性の地位向上的視点において結末にアニメ版からの改変(だと思う)があり、そこもよかったと思います。

あっそれから、オリジナルのアニメで動きだけでとてもかわいかった魔法のじゅうたんが実写版でも全く同じように再現されていて、感動しました。(キスシーンでアラジンの背中を押すところは、もっと明示的に描いてほしかったけれど)

でも、もし機会とお金があるならば、ジーニーが正真正銘に活躍するミュージカルもおすすめです。

ジーニーならミュージカル、魔法のじゅうたんやスペクタクルな映像重視なら実写版、が結論です。

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